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夏期講習

フランスのトゥールで開催される夏期講習に参加してきます。朝、アレキサンダーテクニックによるウォーミングアップに始まり(演奏における体の使い方を学ぶメソード)、全員で討議形式の公開レッスン、午後は8人の先生の部屋を周り、個人レッスンを次々に受ける10日間。

 

中休みの日曜はいつもは休息日ですが、今回はショーモン城のイベントに参加、演奏をさせていただけることに!

講習は歌手とピアニストが組んで演奏する「アンサンブル」としての研鑽。歌い手、ピアニストそれぞれの技術だけでなく、二人でどう音楽を練るかを追求します。

 

ここではフランス歌曲、というフランス詩を主体とした音楽を勉強します。フランス詩は日本の俳句や和歌のように厳格な詩法にのっとったうえで世の風景、感情、世情、政治、歴史を描いており、それを音楽に載せたものなので、まずフランス詩の理解が必須。そこに音楽を演奏する技術が必要。どちらも日本人にとってとても壁が高く、挫折や無力感を抱えていますが、でもやっぱりその内容が美しすぎて、少しでも近寄れたら、という思いで勉強を続けています。

 

日本での仕事や家事とはかけ離れた内容ですが、何かを求めて勉強する、という力は生きる喜びにつながっていきます。好きなことをやるのは、日本では罪悪感を感じ、あまり大きな声で言いにくい風潮があります。

 

でも「好きなことだけやる」、ということと「好きなことをつきつめる」のは違うことだ、というのを示せれるような活動にしていきたいと思っています。