· 

L’Académie Francis Poulenc

欧米では夏休みの期間中、劇場はオフシーズン。各国の避暑地ではこぞって音大の先生方や音楽家による「夏季講習」を催します。

私が2012年から1年おきに参加しているフランス、ロワール川沿のTours市でのL’Académie Francis Poulencの講習会は「フランス歌曲」に特化した稀有な講習会です。

普通は講習に行くと一人の先生に習いますが、ここでは8人各分野の専門家にめいっぱいレッスンを受けます。

声楽の講師2名、ピアニスト2名、俳優・朗読家、文学博士、アレクサンダーテクニック(身体の使い方、感じ方を学び演奏につなげる技術)…そもそもヨーロッパでは詩と音楽、舞踏は三位一体の芸術。発声や指先の技巧性だけを磨くものではない、ということを思い知ります。

午前中は講師、生徒、全員が一同に集う中、発表形式のレッスン。一つの作品について講師全員がそれぞれの見地で意見を交わし(しょっちゅう脱線しがち^^;)、もちろん演奏者の解釈も求められます。

午後は30分刻みでそれぞれの先生と個人レッスン。1日3,4コマ、あちこちのレッスン室を駆け回りながら合間を縫って予習復習の練習です。

 

そんな中の救いは昼食。学食で前菜、メイン、デザートそれぞれシンプルで伝統的なフランスの料理を出していただき、とても美味しく、毎日の活力になりました。

今回の講習会では前半終了時、中休みの(はずの)日、最終日にそれぞれコンサートに出演の機会をいただきました。午前中の公開レッスンも毎回ある意味、発表会なのにさらに3本の本番。どうせなら課題として勉強してきた27曲、全部どこかでレッスンも受けたい…仕事や家事がないのを幸い、思い切り自分たちの音楽と向き合える10日間でした。